2012年2月21日火曜日

ホイットニー・ヒューストンのことを少しだけ・・・その2


先日、惜しくもこの世を去ったホイットニー・ヒューストンと、
白人女性ジャズボーカルの先駆者的な存在で、天才とも呼ばれたアニタ・オデイ。


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タイトルに「少しだけ」って書いたにもかかわらず、

少しでは物足りなくなってしまいました。・・・・・で、その2です(^^ゞ。

現地時間の19日、ホイットニー・ヒューストンの遺体が米ニュージャージー州ウェストフィールドの墓地に埋葬された。報道によると、墓地の周辺には大勢のファンが集結し、遺体を乗せた車を見送ったという。ヒューストンは2003年に死去した父親のジョン・ヒューストンさんの遺体の隣に埋葬された。
                                2月20日付MTV Newsより


ホイットニー・ヒューストンの死を悼んで寄せられたという、

コメントをふたつ。

「悲しみに打ちひしがれている。彼女ほど才能にあふれた唯一無二の存在はいない。」
(クインシー・ジョーンズ)

「彼女は地球上で最も優れた歌声の持ち主として、世界中の人々の心に輝き続けることでしょう。」
(マライヤ・キャリー)

また、彼女より5歳年下のセリーヌ・ディオンは、インタビューに応(こた)えてこう言っています。

「ホイットニーは私にとって素晴らしいお手本でした。ドラッグと彼女を取り巻く環境(人間関係や

ショービジネス等)が悪影響して、彼女の夢と母性を奪い取ってしまった。

エルビス・プレスリー、マリリン・モンロー、マイケル・ジャクソン、エイミー・ワインハウス・・・。

これらの人たちの死には、薬物がまとわりついている。ホイットニーもまたそうでした。

愛情も家族もファンも母性も、彼女はすべてを持っていたけど、ドラッグがそのすべてを破壊して

しまった。私にも3人の子供がいるけれど、ホイットニーにも家族があったのよ。

それ以上何が必要だったというの?

家族、愛、母であるということ・・・。これに勝るものなんてないでしょう?

ステージに立つために薬を飲み、起きるために薬を飲み、寝るためにも薬を飲み・・・、

不幸としか言いようがないわ。」

確かに、2000年ハワイの空港で大麻所持で拘束されており、

この頃から健康を害し、体重激減の姿をたびたび見られるようになっていて、

ホイットニー自身もテレビ番組で、大麻やコカインを常用していたことを告白しているそうです。

2004年以降は、アルコール・薬物依存からの脱却のためのリハビリ生活にも、

取り組んでいたとのことです。

ショービジネス界等で、彼女に群がるある種の人々に大金をむしり取られ、

そしてまた、大麻やコカインを購入するのに大金をはたき、

さらには、その薬物依存やアルコール依存の治療のためにもまたお金を使いました。

亡くなった日のわずか10日ほど前に、こんな報道があったことも事実です。

今年、新作映画『Sparkle』で銀幕に帰ってくるホイットニー・ヒューストン。しかし、どうやら諸手を上げての 'カムバック!' というわけではなさそうなのである。<Daily Mail>によると、なんとホイットニーは全財産を使い果たしてしまい、現在破産寸前であるというのだ。
<Radaronline.com>に、ある人物が話したところによると「もし誰も手を差し出さなかったら、彼女は今頃ホームレスだよ。本当に金がなくて、もうほとんどジョークみたいな状況」なんだとか。
10年前に、現在所属するアリスタ・レコードと1億ドルという史上最高額の契約金で契約し、再びシーンに浮上したホイットニーだったがそれ以降、薬物中毒やボビー・ブラウンとの破滅的な結婚生活の末の離婚など数々の困難が彼女を襲った。そして今や破産寸前という状況だと言うのだから、実力を備えたスターの末路としてはあまりにも悲惨な状況だ。最近も僅か100ドルを借りるために知人に電話していたのだとか。ある関係者は「彼女は本当ならマライア・キャリーくらいに金持ちのはずなのに、いまじゃ完全に一文無しなんだ」と話している。
しかし本人は、これらの一連のニュースは実際よりも大げさに伝えられているものだとして、「そんなの嘘よ。バカバカしい!」と<Daily Mail>に対して否定しているという。
『Sparkle』の中で、ホイットニーは主演キャストとプロデューサーを兼任している。返り咲くことが出来ればこの上ないことだが、現状がどうであれ、そのギャラが入ればしばらくは不自由ない生活を送れるのではないだろうか...。
by AOL Music Staff (SH) (2012年1月30日 3時30分)


ここで私がどうしても思い出してしまいますのは、

この記事の冒頭にその名をあげましたアニタ・オデイです。

ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン等等と並び称される、

ジャズ界の大御所と言っても良いのではないでしょうか。

魅惑のハスキー・ヴォイス、歯切れの良いスキャットを交えた独自の唱法、

その当時のトップのジャズマンらからも慕われる、姉御肌の性格でもあったようです。

その後の女性ジャズヴォーカルらにも、多くの影響を与えています。


アニタ・オデイ - 二人でお茶を
Anita O’Day-Yesterday/Yesterdays(live in Norway ’70)

一つ目の映像は、1958年のニューポート・ジャズフェスティバルの4日間の模様を映画化された、

有名なドキュメンタリー映画「真夏の夜のジャズ」の中の前半のハイライトともいえる、

アニタ・オデイのシーンからの一コマです。かっこいいですね。

アニタ・オデイにつきましては、多くの方がブログに残しておいでですので、

そちらを参照していただくとしまして、

つまり、彼女もまた、ジャズシンガーとしての栄光とは裏腹に、

ドラッグの影がつきまとっていました。

どれほどの量の薬物が、どれほどの期間にわたって彼女の身体を蝕(むしば)んでいたのか、

想像することも出来ませんが、

なんとアニタ・オデイは、その治療のために20年間という途方もない日々を費やしています。

そんなことがなければ、一財産を築いたアニタだったのでしょうが、

やはりドラッグに使ったお金と、その治療に費やしたお金とで、

ほとんどの財産は消えてしまったようです。

ただし、アニタ・オデイは、1919年生まれで2006年に没しています。

そう、87歳まで彼女は生きました。

ロスアンジェルス郊外の病院で、静かに息をひき取ったアニタ・オデイでしたが、

80歳を過ぎてもコンサートで歌っていたと伝えられています。

その人生の多くの年月を、ドラッグにつきまとわれた苦闘の日々を過ごし、

財産も残せなかったアニタ・オデイにも・・・・、

歌だけは残っていたのでした。


お父さんの遺体の隣に埋葬されたというホイットニー・ヒューストンさんが、

どうか安らかに眠れますようにと、祈りたいと思います。





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